2020年10月の記憶

 *

 

友達のお誘いでThorpe Parkという遊園地に行く。はじめて会うメンバーもいた。交友関係の狭い私はこの友達を通して新しい人と知り合っているようなものだ。最後がいつだったか覚えていないくらい久しぶりな絶叫系のライドで、とってもドキドキしたけれど、いくつか乗っていくうちに楽しくなってくる。2時間くらい並んで乗ったライドは、さすがに恐怖心以上に早く座りたいという気持ちが勝ってしまった。それでもすごく怖くて楽しかった。

 

 

久しぶりに体重計に乗ったらいつもの体重から2kg増。心当たりはたくさんある。最近スーパーで買いだめしたお菓子を計画通りに食べれないのだ。「これで1週間は困らない」というつもりで買ったお菓子が数日でなくなってしまう。加えて、今の家に引っ越してからめっきり運動をしなくなった。スーパーも毎日通えるくらい近いし、家の中も快適であまり外に出ようという気が起きない。言い訳しても仕方ないので、翌日から数日間、野菜スープ生活をする。こんなので体重が減ることはないと知っていたけれど、味覚や食事量がリセットされて砂糖や油分を摂取したい気持ちがスッと消えた。ひとまず良かった。

 

 

イギリスに新しい行動規制ルールが導入される。他の都市の後を追う形でロンドンもTier2にレベル引き上げ。また同一世帯外の人と屋内で会えなくなってしまった。前の週にThorpe Parkにすべり込めてよかった。3月からのロックダウンと違うのは、少なくとも飲食店も公共施設も開いているということ。それだけで息ができる。

 

 

ビザが終わったあとのことを考えることが増えて、とても憂鬱になる。日本に戻るには戻るのだけれども、イギリスに残りたい理由もある。日本に戻ったあとまたイギリスもしくはヨーロッパ圏に出るか、完全に日本の暮らしに戻るか。どちらを選んでも捨てなければいけないものがとても大きい。人生のそういう時期なのか、最近は得るものより無くなるものばかりに目がいってしまう。

 

 

朝から友達からメッセージ。「暖かいから公園行こう」。新ルールが開始されて、屋内では人と会うことができなくなったけれど、公園がいっぱいのロンドン。会おうと思えばどこででも会える。運よく前日の夜にいっぱい仕事を進めていたので、この日は自主休暇。お昼にはHyde Parkに着いていた。ベンチでおしゃべりしたり、歩き回ったり。のんびりとした紅葉と落ち葉でいっぱいの公園で、秋の空気を存分に感じれた。

 

 

レストランのバイト。「今日はお客さん少ないから来なくて大丈夫だよ」と言われることが続いた。冬は平常時でも客足が減るのに、さらに規制も厳しくなって、そりゃあ仕方ないよなぁ。 

 

 

7月からやっていた前職のヘルプ業務がついに終了。毎度契約が終わる頃に「来週がラストなので残りのタスクの優先度決めてください」と連絡すると、「契約終わるの忘れていた。後任がまだ決まっていないから来月もできないか?」と言われ続け結局4ヶ月。他の仕事も時間に融通きくものばかりだから、正直これからも業務は続けられたけれど、キャリア的に旨味がほとんどないので早々と抜けて時間をもっと有意義に使いたかった。徐々に勤務日を減らしていって、最後のほうは週1回4時間のみ。「これだけしか稼働できませんが、意味あります?」と聞く。もちろん「ノー」と言われ向こうから継続を諦めてもらうのを期待していたが、それでも手伝ってほしいとのことだった。ここまできてやっと某日本人向け情報サイトに後任の求人が出た。結局今まで後任を探してすらもいなかったということだ。なめられたものよ。

 

 

近隣国が立て続けに再ロックダウンを決める。ヨーロッパで感染がまた広がっているのは知っていたが、わりと突然のニュースだった。イギリスは8月の外食補助スキーム以降、かなり経済優先な姿勢が見えていたから、今月導入された新ルールが見直される程度で、なんだかんだロックダウンはしないんじゃないかなと思った。

 

 

数日後、イギリス政府がロックダウンを検討しているというニュースが流れる。時間が経つにつれ報道も詳細になり、政府の会見が行われるより前にロックダウンの内容はほとんど国民に知れ渡っていた。今回はあらかじめ終了日が決まっていて、4週間だけ。発表があったその日はバイトに入ってて、また1ヶ月会えないのね、と皆で話した。政府の賃金補助もしばらく続くし、テイクアウトで営業も続けるみたいだけど、最初のロックダウン以来、客足がやっと戻ってきていただけに残念。

 

 

そういえばハロウィンだったな、と思ってちょっと怖い雰囲気の場所に行ってみようと施設やミュージアムを探してみたけれど、チケット完売していたり、前日までしか予約受け付けていなかったりで失敗。というわけでまだチケットが売られていた、決して怖いスポットではないPollock's Toy Museumに行った。赤と緑を基調とした建物が可愛くて、おもちゃが所狭しと並んでてときめく。展示物自体の説明は少なかったけど、入り口でもらうリーフレットに各部屋の見所が丁寧に書かれていて感心した。静かで平和で居心地のいい場所だった。ミュージアムを出たあと雨が上がった街を少し散歩した。

 

 

ロックダウンでしばらく会えなくなるということで、急遽友達と会う。また1ヶ月後にね。元気でいようね。

 

 

f:id:journey0127:20201103090734j:plain

f:id:journey0127:20201103090739j:plain

f:id:journey0127:20201021080358j:plain