2019.07.25-27 リンショーピング NärCon

ネクロ魔ヨーロッパツアー最終公演はスウェーデン、NärConでのステージ。 

www.narcon.se

ヨーロッパ最大のコスプレフェスティバルと聞いていたのに、開催数日前になってもサイトには詳細な情報が出ない。ヨーロッパクオリティ???

・・と思ったら、サイトじゃなくてイベント専用アプリでしか情報が見れないというオチだった。

前々日のオウルでやっとそのことに気づく私たちヲタク。
タイムテーブルをみるとライブの終了は深夜になるっぽく、ストックホルムを拠点にしようとしていたプランは崩れ、宿と交通手段は調べ直し。

海外遠征にも慣れてきたとはいえ終盤で疲れも溜まってきたところでのコレは辛い。

2019.07.25 NärCon Day1 @リンショーピング大学, Linköping🇸🇪

当日の朝、ストックホルムからバスで3時間、会場のリンショーピングへ。

その前にコインランドリーに行ったり、バスターミナルまで道に迷ったり。大きい荷物置いて行こうとコンロッカー探して奔走するもキャッシュレス(+JCB不可)で断念したり…出発前から疲労感すごい。

その上めちゃくちゃ気温が高く30℃越えの予報。
北欧って涼しいんじゃなかったのか…?

(実はこの時期ヨーロッパは熱波に襲われていて、ロンドンでは37℃とかだったらしい…それに比べれば全然涼しい)

暑さが苦手な私はこの時点で体力も気力もゼロに近づいてしまっていた。遠征後半での疲れが出てきていたせいもあったかも。

リンショーピング駅から大学までは3~4kmの距離。
あらかじめ調べていた路線バスはとっくに出発していた。チェキ会まであまり時間はないしバスの案内は全部スウェーデン語。

どれに乗ればいいかも分からなくてパニックだったけど、幸い色とりどりのコスプレイヤーが並んでいる乗り場を発見。
レイヤーさんたちの後を追いなんとかNärConの入場ゲートにたどり着く。

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GoogleMapsで現在地をみるとチェキ会場と真逆にいるらしい。大学構内まるまる会場になっていてかなりの距離がある。少しあせる。
気温30℃、日陰もなく、コインロッカーに預けられなかったキャリーバッグもうまく転がらなくてつらい。

会場の前で先に着いていたルナドンさんを見つけた時は安堵で泣きそうだった。遠征一人じゃなくてよかった。

今思うとそんなちょっとしたことでと思うけど、言葉が通じない知らない街を毎日のようにバタバタと長距離移動するのは思っていた以上に精神的に堪える。メンバーはそれに加えてライブもやってるんだから凄すぎる。

建物に入ると20人くらいがすでに待機していた。まだライブもしていないのに人来るものなのか、とびっくり。
囲みチェキだけでメンバーとは少ししか話せなかったけど、それだけで気分が晴れてきた。そうだ私はアイドルヲタク、楽しむためにここにきたのだ…!!!と気持ちを持ち直す。

みしぇるが「ギガが足りない」ってツイートしていたから、SIM差し入れしたらたいそう喜ばれた!朝のドタバタの中買った甲斐があって嬉しい。
せっかくの海外遠征、ヲタクてきにもいっぱいSNS更新して欲しいからね…(はぁと)

NärConでは日本人の通訳の方がついていらして、久しぶりにメンバー以外の日本人と喋ったりもしてなんか新鮮だった。

夜のライブまでは時間があったから、本日の宿「Dormitory」とやらへ荷物を置きにいく。
タイムテーブル的にストックホルムへの帰還は諦めたものの、もう周辺の宿は空きが無くて、結局イベントオフィシャルの宿泊場所を利用することにしていた。

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Dormitoryの説明をみると
・イベント前日の木曜夕方~最終日日曜まで使える
・99スウェーデンクローナ (1200円ちょい)
・寝るための道具は自分で持ってきてね!
・会場から1.2kmくらい離れてるよ

つまり空間は提供するけどあとは自分でどうにかするっぽい。寝袋なんて持ってないから雑魚寝は覚悟するとして、3泊でこの価格は格安すぎて不安になる。

 

シャワーあるの?荷物置いとけるの?日中めっちゃ暑いけど大丈夫なの?スマホの充電どうしよ?とか全然わからないまま、 I have no choice…って唱えながら申し込んだのだった。

スタッフさんにGoogleMapで場所を入力してもらい向かうと、そこは大きい体育館だった。

恐る恐る中をのぞくとシングルサイズからキングサイズまで立派なエアーマットがずらりと並んでいる。

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えぇ…みんな寝袋じゃないの???

と寝袋すら持っていない私は戸惑ったけど、時すでに遅し。
立派なエアーマットの合間にバスタオルを敷いて自分の空間を主張。こんな惨めな気持ちは久しぶりT_T

(惨めさに気づかないふりをして)バスタオル越しに体育館の床のひんやりを感じていると、昼間の暑さにやられていた体にだいぶ元気が戻ってきた。
日が入らなくて涼しいし、体育館だからシャワーあるし、延長コードもたくさん用意されていて充電にも困らなそう。

雑魚寝さえ我慢すればなかなか快適じゃないですか〜!ドミトリー。

ライブはメインステージでのオープニングセレモニーの後に予定されていた。
ドミトリーを出発して会場へ近づくにつれセレモニーの歓声が大きくなる。かなり盛り上がっているよう。このままネクロ魔のライブが続くと思うとすごい景色が見れそうだなとワクワクが止まらない。

会場につくとセレモニーがちょうど終わったところだった。ステージエリアから出てくる人の波をかき分けて中へ進む。熱狂の余韻がすごいんだろうな〜とドキドキしながら顔を上げると、

中に残っていたのはネクロ魔ファン数人とスタッフらしき人たちのみ…。

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あれ???

まぁ時間近くなったらまた人来るでしょう、と待っていたところ清掃スタッフから箒を渡されセレモニーで舞った紙吹雪を履くように指示される。なぜだろう…

しかしここはライブハウスでも特典会でもなくコスプレフェスティバル。きっとそういうカルチャーなのかも。コスプレフェスティバルのお作法がわからない私たちはとりあえず言われた通りにしておいた。

10分前を切っても人が増える様子がなく、ファンたちで顔を見合わせる。もしかしてこのだだっ広い広場で最前列も埋まらない状態で開演を迎えてしまうのだろうか。

ここまで順調に、いや想像以上の大成功を収めていたヨーロッパツアー。毎回嘘偽りなく「めっちゃ盛り上がってた!」なんてツイッターにレポしていた私は、これ終わった後なんてツイートすればいいんだろう…と考えて胃が痛くなる。

すると突然エリア後方が騒がしくなった…!なんと大量の人が駆け込んでくるじゃないか!!!!!
最前列めがけてダッシュしてくる色とりどりの服装の人々を前に、反射的に私たちもステージへと走る。

どうやらステージイベントが終わるたびに一旦外へ出て次のステージの開場を待たないといけないシステムだったみたい。なるほど、それで私たちはスタッフと思われて掃除させられていたわけか…。
全然理解してなくてフライング入場してしまってごめんなさい。。。

駆け込んできたお客さんでステージ前はあっという間に埋まってしまい、エリア前方は人いっぱい。そして後方にもとりあえず見てみるかといった様子の人が集まっての開演。

初日ステージは野外で23:00からの60分セット。
深夜のステージを照らすギラギラした照明はパーティーさながら。巨大ステージの脇にはHyper Japanの何倍もの大きさのスクリーン。
いよいよ登場したネクロ魔に会場は大歓声。

Hyper Japanと同じく日本のアイドルシーンをあまり知らない層。そしてこちらは「日本」に特定していないイベント。どれくらい受け入れられるのかな、と思っていたけど何の心配もなかった。

始まりからテンションの高いお客さんたち。お祭りに来てるだけあって「楽しむぞ」という雰囲気がめちゃくちゃ伝わってくる。
なんだか音楽フェスと同じだなと思う。

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アイドル特有のコールやらの文化を知らないぶん、みんな好きなところで好きなように歓声をあげるし拍手をするし踊りだす。歓声もフゥ〜!って感じでオイオイじゃない。笑
いろんな面でライブハウス公演とは違うノリだった。

ライブハウスは最前列ですらはじめは様子見っぽい人も多く、一度どこかのタイミングで火がついてみんなが一気に興奮した感じになってくる。その過程も含めて楽しみがある。
しかしNärConは初っ端からアクセル全開。曲知らないとかもう関係なさそう。途中から前方に移動してくるお客さんもたくさんいて、最後まですごい盛り上がりのままだった。


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夜の野外ステージという魔法。バックにはネクロ魔のロゴが一面に映され、スモークと強めの照明。その影さえも絵になる。そして彼女たちの歌声に応えるように盛り上がる観客。

MCでは客席からスウェーデンのフラッグが投げ込まれる。
現地のファンがチェキ会の間にお客さんに呼びかけて準備していた寄せ書きだった。アイドル本人だけじゃなくファンにとってもある種アウェー戦だっただけに、この日の成功をその場にいるみんなで祝えているようでエモかった。

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かっこよくて鳥肌がたちっぱなしの60分だった。
ずっと夢の中にいるみたいなクラクラした余韻に浸りながら、こんなすごい景色を代わる代わる見せてくれる彼女たちをいつまでも追いかけていたいなと思った。

 

 

2019.07.26 NärCon Day2

ライブ翌日。この日はトークショーとして1時間の枠が設けられていた。
正確には数えていないけれど、50人以上は集まっていたと思う。

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ネクロ魔運営メンバーのデレク氏の進行で、メンバーとプロデューサーのリッキーさんが質問に答えていく形式。いきなりマイクが壊れてしまうハプニング。さすが暗黒系アイドル…

後半はお客さんからのQAタイム。
挙手を当てられたお客さん開口一番に「昨日のライブすごく楽しかったです」とか「出演発表された時から楽しみにしてました」とか言っていて泣けてくる。

お客さんからの質問少しメモってたので紹介。口調や語彙はニュアンス。

Q. なんでネクロ魔に入ったんですか?
 みしぇ:「怖い人から連絡きたと思ったらリッキーさんだった。ライブを見たらかっこよくて私も強い女の子になりたいと思った」w

Q. (「スウェーデンが寒くなくてびっくりした」という柿ちゃんの話しの後)冬のスウェーデンめっちゃ寒いけど、また冬に来たいですか?

 柿:「ITHAQUAMV…あの撮影をやった私たちなんで、冬でも大丈夫」

Q. メンバーはステージ以外にどのくらいネクロ魔に関わっている?

 柿:リーダー
 ひま:歌詞
 みしぇ:衣装制作(ここでめっちゃ歓声上がる!さすがコスプレフェスティバル)
 くのぎ:新しい風を吹かす
 怜:曲の音域をチェックしてメンバーに合わせたり
 リッキー:デザイン系全般、ブッキング、交通手配とか運転とかなんでもやる

そのほかにも
・スウェーデンの食べもので美味しかったもの
・ネクロ魔のインスピレーションになっている曲やバンド
・好きなアニメ
・ツアー中の思い出

などなど。みんなネクロ魔に興味津々で、最後まで挙手が止まらなかった。

そしてショー最後に、本来は予定になかったチェキ会をこの後やるとのアナウンス。まさかの嬉しいお知らせにこの日いちばんの歓声!
そのままチェキ会に並ぶお客さんがほとんどで、撮り終わって泣きだす人もいてなんだかエモくなってしまった。

帰り道にトトロを見かけてエモさ吹っ飛んだけど。

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2019.07.27 NärCon Day3

3日目はいよいよヨーロッパツアー最後のステージ。
NärConの一大イベント、コスプレコンテンスト内でのショートライブだった。

初日と同じくメインステージという広い舞台だったけど今回は真昼間の出演。気温は30℃、ほとんど夏フェス。
コンテストを見に来た人たちはもちろん、トークショーにいた面々や、ペンライトを持ったアイドルファンっぽい人もいる。

日光の下でのネクロ魔は初日とはまた違う印象で、キラキラ輝いて見えた。同じ曲なのにいろんな側面を見せれるのすごい。
3曲15分のステージだったけど、近くにいた少女たちが熱心に手を振っていたり、写真をいっぱい撮っていたり。しっかりお客さんたちを楽しませていた。

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そしてステージが終わるとNärCon本当の本当に最後の出番、ツーショットチェキ会。

…とその前に海外遠征部からとしてお花をプレゼントさせていただいた。本当にみんな最後までお疲れさまでした!

 

チェキ会は全員まわしたかったけど、お客さんいっぱいで一人とるのにも結構な時間がかかってしまう。そして他のお客さんも全員ととる勢いで何度も並び直していた。
ヲタクの金遣いの荒さはジャンル問わず世界共通なんだなと思った。

とうとうストックホルムに戻る最終バスの時間になってしまい、チェキ会が終わるのを待たず会場を出ることに。最後まで見届けたかったけど仕方ない。
帰り際、時間だから帰るね〜!って遠巻きにメンバーにジェスチャーしてたら柿ちゃんが気づいてくれて、え!もう?って顔をしながら「気をつけてね!」って手を振ってくれた。

帰りのバスに揺られながら、終わっちゃったんだなって考えてみたけれどぜんぜん現実味がなかった。ふわふわした余韻がずっと続いていた。

ストックホルムに着いてルナドンさんとツアー完走の打ち上げをサクッとやる。このまま空港に行って朝の便を待つというルナドンさんともここでお別れ。
最後までお疲れ様でした。

 

・・・・・・・・・・

というわけで、私のヨーロッパツアー遠征はこれにておしまいです。(メンバーはNärConの後チェティ城での撮影という最後の仕事が残ってましたが)

5ヶ月たった今はあれは夢だったんじゃないかなと思う時もあるけれど、鮮明に思い出せるシーンがたくさんあってやっぱり夢じゃなかったなと思い直して。
でもそれもだんだん記憶から薄れてしまっているから、少しでもこうやって書き留めておきたかった。
時間かかってしまったけれど、ここまで読んでくれた方、お付き合いありがとうございました。

最後にちょっとだけ海外遠征ヲタクのつぶやき。

このツアー、ライブハウス公演はもちろんHyper JapanやNärConといった新しい舞台に挑んで、会場を沸かせるみんなの姿が本当にかっこよかった。
ネクロ魔の長い歴史の中でいろんなところに撒いていた種が全部ここまで繋がっていて、たくさんの人を魅了し続ける存在になっているということをものすごく感じた。

それでも実際にその場を沸かせていたのはこの5人たち。
ここまで触れてこなかったけれど、前回のツアーからの1年の間にメンバーの卒業・加入という大きな節目があった。

雰囲気が変わったと離れていくファンもいたとおもうし、過去から重ねられてきたNECRONOMIDOLという存在を守りながら新しいモノを受け入れていくことへの葛藤がたくさんあったと思う。

そんな新しい5人で再解釈・再構築していったこのネクロ魔が、たくさんの人を夢中にしていた事実。またこうやってネクロ魔のストーリーが更新されていく、そんな最前線を見れているようですごくワクワクした。

国内では頻繁にライブを行っているネクロ魔は、こまめに改善や調整を繰り返しながらうまくファンを増やせていけていると思う。
でも海外ツアーとなると撒いた種の結果がわかるのは早くても1年後。

たとえチケットの売れ行きが良かったとしても、どれくらいの熱量で受け入れられるかはその時までわからない。メンバーもリッキーさんも(ヲタクも)、毎日、ライブが始まるその瞬間まで不安があったと思う。

でもその分、1年分の結果を一度に受けるインパクトは凄まじくて、0か100かという不安の中で、振り切れるほどの熱狂を浴びることになる。

なんども海外遠征してしまう私は、ここに中毒性を感じてしまってるんだろうなと、このブログを書いていて気づいた。

2019年の結果はどうなるんだろうね。また見に行かなきゃだな〜。

おわり